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第5回「ソフトウエアRAIDを開始する」

未だNASのデータを救出できていません

前回は,仮想マシンにインストールしたVine Linuxに,NASから取り出したHDDを接続してデータの救出を試みました。しかし,HDDは認識するもののデータにアクセスすることはできませんでした。単刀直入に言うと,未だNASのデータを救出できていません。

ミラーリングとはいえ,RAIDを組んでいる以上1台だけ(片側だけ)では簡単にマウントできないと睨んでいます。『Linux』+『ソフトウェアRAID』で検索したところ,LinuxにはmdadmというソフトウエアRAIDを構成するデバイスの管理プログラムがあることがわかりました。mdadmを使用することで,データにアクセスすることができるかもしれません。

  1. 「Oracle VM VirtualBox」を起動し,仮想マシンのVine Linuxにログインします(第4回「そうは問屋が卸さない」参照)。
    ソフトウエアRAIDを開始する(1)

  2. vine linuxの「コマンド・ライン端末」を起動します。lsコマンドで,/dev配下の情報を表示します。sudoコマンドを使用して,root権限で実行してください。ちなみに,入力した パスワードはコマンド・ラインには表示されません。/dev/sd*と指定することで,Linuxに接続したHDD(SATA)の一覧が表示されます。

    $ sudo ls -la /dev/sd*
    [sudo] password for masa:
    brw-rw---- 1 root disk 8,  0 10月  9  2016 /dev/sda
    brw-rw---- 1 root disk 8,  1 10月  8 23:55 /dev/sda1
    brw-rw---- 1 root disk 8,  2 10月  9  2016 /dev/sda2
    brw-rw---- 1 root disk 8, 16 10月  9 00:44 /dev/sdb
    brw-rw---- 1 root disk 8, 17 10月  9 00:44 /dev/sdb1
    brw-rw---- 1 root disk 8, 18 10月  9 00:44 /dev/sdb2
    brw-rw---- 1 root disk 8, 19 10月  9 00:44 /dev/sdb3
    brw-rw---- 1 root disk 8, 20 10月  9 00:44 /dev/sdb4
    brw-rw---- 1 root disk 8, 21 10月  9 00:44 /dev/sdb5
    brw-rw---- 1 root disk 8, 22 10月  9 00:44 /dev/sdb6
    

    結果はご使用の環境により異なる場合もありますが,「sdb」にNASから取り出したHDDが認識されてました(1~6まであるのが当スタジオで使用していたNASから取り出したHDDです)。

  3. mdadmをroot権限で実行します。RAID 1の片側しか接続していないため,明示的にRAIDを開始させます。データが入っていそうなパーティション(/dev/sdb6)を,RAIDデバイス(/dev/md0)としてスタートします。

    $ sudo mdadm --assemble /dev/md0 /dev/sdb6
    [sudo] password for masa:
    mdadm: /dev/md0 has been started with 1 drive (out of 2).
    
    • --assembleオプションは,以前存在していたアレイを再編成します。
    • /dev/md0は,RAIDデバイス名です。
    • /dev/sdb6は,RAIDを構築するデバイス名です。
  4. gnome-mountコマンドで,デスクトップにRAIDデバイス(/dev/md0)をマウントします。

    $ gnome-mount -t -d /dev/md0
    

  5. GNOME デスクトップに,「disk」が追加されました。
    ソフトウエアRAIDを開始する(2)

  6. 「disk」を開くと,中身もみえます。
    ソフトウエアRAIDを開始する(3)

  7. 今度はデータにもアクセスできます。これで,必要なデータを救出できます。Windows PCからアクセスできる安全な場所にデータをコピーすれば,サルベージは完了です。

  8. データサルベージ中に,mdadmが停止することがあります。なんらかの理由でmdadmが停止した場合は,mdadmを再起動して,RAIDデバイス(/dev/md0)をマウントしなおします。

    $ sudo mdadm --run /dev/md0
    [sudo] password for masa:
    mdadm: started array /dev/md0
    $ gnome-mount -t -d /dev/md0
    

  9. データサルベージが完了したら,RAIDデバイスをアンマウントします。GNOME デスクトップの「disk」を右クリックして,「アンマウント」を選択します。
    ソフトウエアRAIDを開始する(4)

  10. 続きまして,mdadmを停止します。

    $ sudo mdadm --stop --scan
    [sudo] password for masa: 
    mdadm: stopped /dev/md0
    

  11. mdadmが停止したら,Vine Linuxをシャットダウンします。


ようやくNASのデータを救出できました

多少時間はかかりましたが,どうにかNASのデータを救出することができました。HDDにダメージがなかったことが幸いでしたが,NASのデータ救出でここまで苦労するとは思っていませんでした。データが消失していたことを想像するだけで身の毛がよだちます。すべては,RAIDを過信していたことが原因です。次回は,最終回としてRAIDを過信してきた教訓と今後の対策をまとめます。


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