こんにちは。masART STUDIOです。iPhone 7 と iPhone 14で撮影した写真・動画の比較と, iPhone 14で搭載された動画のアクションモードについて検証しました。最新の iPhone 15 シリーズではありませんが,iPhoneの買い替えを検討中の方の参考になれば幸いです。
iPhoneの移行について
はじめに,旧・iPhoneから新・iPhoneへの移行方法について,簡単に解説します。iPhoneの移行方法は,幾つかありますが「クイックスタート」という便利な機能があるので,筆者はこちらをおすすめします。
iOSのバージョンが12.4以降であること,Bluetooth が「オン」になっていること,Wi-Fiに接続していることなどの条件が必要となりますが,新旧iPhoneを並べて画面指示に従いながら作業をすすめることで,10分ほどで移行が完了します。
なお,銀行系のアプリやワンタイムパスワード系のアプリなど,一部のアプリケーションでは再設定が必要なケースもあるので,古いiPhoneのデータを削除する場合は,新しいiPhoneの動作確認が一通り完了してから行うようにしましょう。
また,eSIMを使用しないで,引き続き物理SIMを使用する場合は,モバイル通信の設定画面で「モバイル通信の設定」を利用しないようにしてください。
筆者はdocomoを使用していますが,iPhone 7 からiPhone 14へ物理SIMを差し替えたところ,通話やメッセージの送受信は問題なく利用できています。ただし,4G回線の契約のため5G回線はもちろん使えませんし,docomoの動作保証外となるので注意が必要です。
iPhone 7 と iPhone 14 のカメラ比較
続きまして,iPhone 7 と iPhone 14 のカメラ性能について みていきましょう。
iPhone 7 は,12メガピクセルのセンサーと35ミリ換算で28ミリ,絞り値は解放でF1.8のレンズが搭載され,光学式手ぶれ補正に対応しています。
一方の,iPhone 14 は,12メガピクセル,26ミリ, F1.5の センサーシフト光学式手ぶれ補正のメインカメラと,12メガピクセル,13ミリ, F2.4の超広角カメラのデュアルカメラを搭載しています。
また,iPhone 14 には,新たに「Photonic Engine」が搭載されました。「Photonic Engine」とは,低照度写真を向上させる仕組みです。ナイトモードに似ていますが,ナイトモードは暗い場所でも良好な写真を撮影できるのに対し,「Photonic Engine」は撮影場所を問わず,全ての写真の暗部に効力を発揮します。後述する「Deep Fusion」の技術を画像圧縮前に適用することで,質感や色合いの表現がより高まると言われています。
「Deep Fusion」は,短時間露光の4枚と標準の4枚,そして長時間露光の1枚を加えた計9枚の画像を合成することで,1枚の高画質な写真を生成する画像合成技術です。複数の画像を合成することで,質感,細部,ノイズの最適化が期待できます。なお、iPhone 14 では「Photonic Engine」および「Deep Fusion」とも,ユーザー側でオン・オフを設定することはできません。
2010年発売のiPhone 4 から搭載されている「HDR」。「HDR」とはハイダイナミックレンジの略称で,露出の異なる写真を合成する技術です。逆光や暗所での撮影でも「白飛び」や「黒つぶれ」を低減してキレイな写真を残せる機能となります。この「HDR」も,iPhone 14 では「スマートHDR 4」へと進化を遂げています。
iPhone 7 | iPhone 14 | |
---|---|---|
カメラシステム | シングル12MPカメラ | デュアル12MPカメラシステム |
メインカメラ | 12MP,ƒ/1.8絞り値 | 12MP,ƒ/1.5絞り値 |
超広角カメラ | ー | 12MP,ƒ/2.4絞り値 |
手ぶれ補正 | 光学式手ぶれ補正 | センサーシフト光学式手ぶれ補正 |
Photonic Engine | ー | Photonic Engine |
Deep Fusion | ー | Deep Fusion |
HDR | 写真のHDR | 写真のスマートHDR 4 |
ナイトモード | ー | ナイトモード |
実写レビュー(写真編)
室内(桜の造花)
それでは,サンプルの写真をいくつか見てみましょう。こちらは,桜の造花を iPhone 7 と iPhone 14 で撮影した写真です。iPhone 7 は桜のピンクが強調され,随分と印象が変わりますね。
室内(清涼飲料水の缶)
次は,清涼飲料水の缶を撮影してみました。印字された文字に注目してください。iPhone 7 は,長年使用しているためレンズやセンサーに劣化がある可能性もありますが,iPhone 14 の方がクリアなのがわかります。
屋外(順光)
次は,iPhoneを外に持ち出して,撮影した写真を見てみましょう。今回は,iPhone 7 と iPhone 14 のメインカメラおよび、iPhone 14 の広角モードで撮影した写真となります。いずれも,順光では良好な写真が撮影できますが,広角モードが使用出来る点はiPhone 14 の強みと言えるでしょう。
屋外(半逆光)
場所を移動して,斜め方向からレンズに光が差し込む位置でも撮影してみました。iPhone 7 では全般的にもやがかかり,コントラストが低下した写真になりましたね。悪くはないのですが,柱やベンチなどの影になっている部分はのっぺりとしています。
iPhone 14 ではどうでしょうか。メインカメラで撮影した写真は,中央部から四隅まで全般的にキッリとしています。木の枝に視線を取られ騒がしい感じもしますが,柱やベンチの質感はいい感じに記録できていますね。超広角モードも,メインカメラと同様の傾向があり枝の部分が気になりますが,明部から暗部まできれいに記録できています。
屋外(夜間)
今度は,日が暮れてからの撮影です。iPhone 7 の通常モードも,予想よりきれいに写っていますが,空の部分に発生している黒いしみのようなノイズが気になります。HDR モードに切り替えるとは,街灯や窓から漏れる明かりなどの光源が柔らかくなりました。また,通常モードでも見られた黒いしみのようなノイズは気になりますが,ザラザラとしたノイズは改善されています。
iPhone 14 で撮影した写真も見てみましょう。空の部分に発生していた,黒いしみのようなノイズはみごとに消えましたね。画面がくっきりとした分,画面の奥の方がワシャワシャとしてうるさい気もしますが,全体的に掛かっていたザラザラとしたノイズは大幅に改善されています。
こうして,3点並べてみますと,iPhone 14 の解像感とノイズ処理の進化が伺えます。
実写レビュー(動画編)
iPhone 7 と iPhone 14 の比較
ここからは,動画のサンプルをみていきましょう。iPhone 7 のサンプルも,iPhone 14 のサンプルも,いずれも手持ちで,カメラの設定は4K,30pで撮影しています。比較してみますと,iPhone 7 のほうがコントラストも高く,色も鮮やかなのがわかります。
しかし,撮影後に映像の雰囲気を整えたり,色調を補正したりする場合は,コントラストや彩度が控えめの方が,自由度が高く扱いやすいかと思います。
アクションモードの実力は
最後に,iPhone 14 の目玉ともいえる,ビデオ撮影時に利用できる強力な手振れ補正機能,アクションモードについて見ていきましょう。最初に,通常モードで撮影した動画からご覧ください。いわゆる,ジンバル歩きではなく,何も考えないで,普通にドカドカと歩いています。
次は,アクションモードに切り替えての撮影です。アクションモードで使用できる解像度は,4Kではなく,最大解像度でも2.5Kにクリップされてしまいます。しかし,iPhoneを片手で持って歩きながらという,手振れが発生しやすい状況でも、滑らかな映像が撮影できると評判です。
絶大な効果はありませんが,たしかに手振れが抑えられたように思います。比較のために,DJIのジンバルカメラ,Osmo Pocket でも撮影してみました。画角は異なるので,一概には比較できませんが,iPhone 14 のアクションモードも負けていませんね。水路の欄干が,手ブレを目立ちやすくしていますが,もう少し慎重に歩けば,宙を移動しているようなヌルヌルとしたスムーズな映像になるでしょう。
まとめ
この記事では,iPhone 7 と iPhone 14 の時代を超えた両機種の,写真や動画の比較,iPhone 14 で導入されたアクションモードについて解説しました。毎年の少しずつ進化をしつづけてきた iPhone。買い替えの頃合いを見ている読者諸兄姉の皆様の参考になったでしょうか。
iPhone 7 も悪くはありませんが,iPhone 14 のカメラ性能の進化には目を見張るものがあります。最後までご覧いただきありがとうございました。それでは,また次回の記事でお会いしましょう。